新着・イベント情報

2023.01.19

当社フッ素ワックスに関するインフォメーション

1.フッ素化合物の制限について

 EU域内において、人の健康や環境の保護を理由に、化学物質を管理するREACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)という規制が2006年12月18日、欧州連合により制定され、2007年6月1日より施行されています。

 REACH規制では、人や環境に対し容認し難い影響がある物質については、製造・使用が制限されます。

 さらに、2020年7月4日より、フッ素原料の製造メーカーに対して、フッ素原料としてのPFOAもしくは、PFOAを含むフッ素原料のEU域内での製造とEU市場での販売が禁止されました。

 また、ワックスメーカーを含む全ての製造業種においても、PFOAが25ppb(食塩 0.001gを含む1トンの食塩水の濃度が 1 ppbです。)を超えて含有する混合物や成形品のEU域内での製造と販売も原則禁止されました。

 なお、日本のフッ素メーカーはそれよりも早く、持続性のある化学物質管理の一環として、世界の主要フッ素化学メーカーと共に、2015年までにPFOA及び関連物質を全廃することをめざす「PFOA自主削減プログラム(PFOA2010/2015スチュワードシップ・プログラム)」を発足し、スチュワードシップ・プログラムの目標期限である2015年末で、PFOA及び関連物質の製造・使用を完全に終了しています。

 PFOAが規制される理由としては、PFOAが体内に残留し、人の健康を害する可能性があるためです。この性質はPFOAのカルボン酸部位が作用していると思われます。

 ただし、フッ素化合物はPFOA以外にも数多く存在し、自動車や衣類の防水コーティング・食品が張り付きにくくなるテフロン加工のフライパン・歯磨き粉や医療分野など身の回りでたくさん使われています。

 弊社のフッ素ワックスについては、REACH規制をクリアしたフッ素化合物を原料としてフッ素ワックス(スタートワックス)、フッ素含有パラフィンワックス(滑走ワックス)を製造しておりますので、安心してご使用いただけます。

2.スキー業界におけるフッ素ワックス禁止ルールについて

 2020/2021シーズン、国際スキー連盟(FIS)からフッ素ワックスの使用を禁止するという発表がなされましたが、フッ素ワックスの検出方法が確立できず、ルールの発動は2021/2022シーズンまで延期することとなりました。

 2021/2022シーズン、2022/2023シーズンにおいても、FISでのフッ素ワックスの検出方法は確立されておらず、FISからは、「フッ素ワックスの使用は禁止。しかし、使用しても罰則なし(ただし、PFOAを25ppb以上含むフッ素ワックスの使用は禁止)」ということで、フッ素ワックスの使用は黙認されている状態が続いております。

 そのため、事実上今まで通りフッ素ワックスも使用されているというのが、2022/2023シーズンの国際大会における各国の現状です。

3.ガリウムからのお願い

 以上の状況から、フッ素ワックスを使用するかしないかは、ワクシングする皆さんご自身で判断していただきたくお願い致します。

 弊社の競技用ワックスには、「GIGA SPEED ZERO Liquid」、「METALLIC ION NFシリーズ」、「HYBRID BASE NFシリーズ」、「D-Control NF」、「GRAPHITE NF」といったフッ素を使用していない製品もラインナップしております。フッ素ワックスを使用しないとお考えの方は上記のフッ素不使用レーシングワックスをご使用いただきたくお願い致します。

ページトップへ